※この記事は珍しく盛大なネタバレが含まれております。ネタバレしないと言いたいことが書けないからです。未視聴の方は直ちにこのページを閉じるか、ネタバレ覚悟の上でお進みください。あと、巷では感想ステマが流行っているようですが、私は頼まれてもいないのに自腹で1100円払って観ました。宣伝費としてキャッシュバックがあると嬉しいので、もし関係者の方がご覧くださっていたら連絡ください(図々しい)。
アナ雪はなぜか上京前にたまたま渋谷の映画館で観た。今回のアナ雪2も東京で見たので、私にとってはそういう作品らしい。
世界中で社会現象を巻き起こし、日本でも歴代3位となる興行収入255億円を記録した大ヒットディズニーアニメ「アナと雪の女王」の続編。雪と氷に覆われたアレンデール王国に陽光を取り戻し、深い絆で結ばれた姉エルサと妹アナ。氷や雪を操る魔法の力を持つ“ありのままの自分”を受け入れたエルサと、明るいキャラクターが持ち前のアナは、仲間たちに囲まれて幸せな毎日を過ごしていた。そんなある日、エルサにしか聞こえない不思議な歌声により、姉妹は未知の世界へと導かれる。それは、エルサの魔法の力の秘密を解き明かす冒険の始まりだった。姉妹は仲間のオラフやクリストフとともに、数々の試練に立ち向かっていく。前作に続きエルサとアナの声をイディナ・メンゼルとクリステン・ベル、日本語吹き替え版では松たか子と神田沙也加がそれぞれ務め、監督も前作のクリス・バックとジェニファー・リーが続投。
前作で自らの氷の力をコントロールできるようになったエルサが、不思議な歌声を聞くようになることから始まる。女王として即位後は妹・アナとクリストフ、スヴェン、オラフらと穏やかに暮らしている(これからもそのように過ごしたい)ため、声のことは聞いても聞かない振りをしていた…が!!統治するアレンデール国に実害が出始めたので、歌声の主を探しに旅に出る…という流れ。
話の中で実は姉妹の母親が魔法を使えるノーサルドラ一族出身で、しかもハイクラスな家柄の出自であることが判明する。つまり2人はアレンデール人とノーサルドラ族のハーフということだ。そのうちの姉・エルサだけが魔法を使える上に、人と聖霊の架け橋となる存在「第五聖霊」であるとのこと。
ここで私の解釈だが、姉妹の母親がかつて第五聖霊で、亡くなったことでその役割が母親の血を濃く受け継いでいる(=魔法が使える)エルサに移ったのではないだろうか。そうなるとアナが精霊ではない&魔法を使えない理由も考えないといけないが…アレだよ、第一子の方がいろいろ出やすいらしいんだよ、アトピーとかさ…。だから、魔法が使えるのはエルサだけ、ってことにしておこう(魔法とアレルギー疾患が同じ扱いでいいのだろうか…)。
物語の最後、アナがアレンデールの女王となりクリストフと結婚。一方、エルサは第五聖霊としてノーサルドラ一族とともに魔法の森で暮らすことに。そこでエルサはありのままの姿を通り越し、水の精霊=馬に乗って「ひとっ走り付き合えよ」状態。妹にアレンデール国を押し付けて任せて…ということを考えると、地元に家族を残して上京した私自身として共感できる部分がある。姉(兄弟の1番上)って、ついつい人を気遣って自分のやりたい事ができなかったり、生きたいように生きられなかったりするんだよね。こればっかりはクセみたいなものなので、完全に引きこもって孤独になるか、自分を個として受け入れてくれる環境に身を置くことでしか直せない。エルサは自身が聖霊であると自覚することで一歩踏み出し、その環境を手に入れられたんだな。周囲も状況的にエルサの選択を支持せざるを得なかっただろうし…。
ただ、ひとつ懸念材料が。エルサが人間としての死を迎えた時、第五聖霊の役割は誰が引き継ぐのだろう?姉妹の母がかつての第五聖霊だったと仮定して、例えば血縁関係者にしか引き継げない!というルールがあった場合…エルサが人間としての終わりを迎えた後はどうなる?エルサは少なくとも物語終了時点で独身あるし、恋愛に関心も薄そうなので結婚・妊娠・出産の予定もなさそう。アナ雪は2で完結と銘打ってるので、その辺が今後公式で描かれる可能性は低いだろうが…気になる。ん?「長女は売れ残りやすい」って?大きなお世話だ。あとで体育館裏に来い。
本編全体を通してのテーマは「家族」「愛」「生き方」。前作は引きこもった姉を説得するという「内面」の物語であったことに対して、今作はほぼ姉妹のせいじゃないのに外的要因に振り回される「外側」の物語だった。その視点で見ると姉妹の成長度合いがよくわかる。
エルサは以前の引きこもりが嘘のような身体能力を見せる。大股で腰を落とすとか、最近の少年漫画でもなかなか見かけないような体制を取るなんて…。アナは持ち前のアクティブさに磨きがかかっており、姉妹は可憐で男前になっている。姉妹の戦闘力はディズニープリンセスの中でトップクラスかもしれない。
今作1番のヒロインは、アナへのプロポーズがことごとく失敗するクリストフである。そしてことある度にクリストフを慰めるトナカイのスヴェン…あれ?今のシーン、ボヘミアンラプソディで見た気が…。
オラフは知性が備わったらしく、蘊蓄(うんちく)をよく語るように。なんでもアリな彼だからこそ、公式の二次創作もお手のものである。声優交代して良かったかも知れない…と思うシーンがいくつか。イケボぉ…!!
何かとネタにされている前作の悪役・ハンス王子。今作は本人不在にもかかわらずボロクソに言われている。前作の悪役が続編の主人公に根強く影響を残している…というパターンはいくつか見たことあるが、こんなにネタにされ続けている人は初めてかもしれない。またクソコラが流行りそうである。
音楽はより秀麗に、CGのリアル感は格段に向上している。とくに水滴の描写は息を呑むほどの美しさ。これはぜひ映画館、もしくは4Kの大画面テレビで隅々まで見てほしい。そうでないともったいない。
余談だが、右隣で見ていたお姉さんが号泣していたが…あんなに泣けるシーンあったか?個人的に強いて挙げるならオラフ消滅→復活くらいだが…あ、もしかしてオラフ好きだったのかな?