このシリーズは、アラサーで仙台から上京した岩崎が食らった数々の受難を記録するものである。
「やべーヤツとの遭遇率が上がった」
東京はとにかく人口が多い。仙台市よりも小さい面積の中に、仙台市より10倍以上の人数が過ごしている。だから当然いろんな人とすれ違うのだが、中には金輪際お会いしたくない方もいる。
先日、電車に乗って座っていたら、空いていた隣の席にやべーヤツが座った。赤い上着の若ハゲ男…こいつには以前も駅で遭遇したことがある。その時はなぜか10代くらいの女性に訳のわからない暴言を吐き、そのまま走って逃げていったのを遠巻きに目撃しただけだった。
だが今回は違う。走行中の電車という密室の中で隣に着かれた。ヤツは確実にこちらに意識を向けており、聞き取れない言葉をブツブツ呟いている。精神疾患なのか脳疾患なのは知らないが、とりあえず何かを患っているのだけはわかった。
うーん、どうしよう。目的の駅まではまだ遠い。痴漢ではないし、現段階で迷惑行為と断定できる材料がないので首根っこ掴んで駅員&警察のところまで連れても行けない。かと言って、睨む・舌打ちする・殴る・股間を蹴る・席を移動する、などのハンパなアクションを起こしたとしても、向こうが次に何をしてくるか予想できない…。と、スマホの画面を眺めるフリして熟考する。
一かバチか…私が取った行動は「次の駅でドアが開いた瞬間に降りる」。そのまま改札方面に向かうフリをして陰に隠れ、男が降りずにドアが閉まったことを確認してホッとした。電車が発車した瞬間、YouTuberのHIKAKINが動画の最後に必ず言う「バーイ」という決め台詞が脳内再生された。
ヒカキンの大暴走質問コーナー100連発www【令和Ver.】
電車を1本遅らせる羽目になったが、身の安全を考えたらロスタイムなんて可愛いもの。誰かあいつを病院に入れて治療するか、外出を制限してくれないだろうか。万が一事件でも起こされたらたまったもんじゃない。
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