スーパーいわちゃんねる!

人類総岩崎化を目論む岩崎が、全国19万人の岩崎さんと1億人ちょいの岩崎さんじゃない人に向けて更新中。世界よ、これが岩崎だ。

上京の受難・アンテナショップ&物産展編

 このシリーズは、アラサーで仙台から上京した岩崎が食らった数々の受難を記録するものである。  

 

「首都圏で東北のものを売っている人が全員東北人とは限らない」

 

 贔屓(ひいき)にしている池袋の「宮城ふるさとプラザ」。郷愁に駆られて…という訳ではないが、よく行って食料品を購入している。以前も記したが住んでいる練馬および勤め先は100%内陸なので、豊洲や築地のように海鮮類が豊富ではない。時々海のものが恋しくなり、七ヶ浜の海苔とか石巻の塩辛とかをつい手にとってしまう。あぁ…今年ははらこ飯をどこかで食べたいなぁ…。

www.super-iwachannel.com

 宮城ふるさとプラザの店員さんは間違いなく東京ないしは首都圏の人である。なぜなら訛りがなく、クリアな日本語の発音をしている。しかし「この店は宮城県人が多く立ち寄っている」という教育が行き届いているらしく、うっかり東北訛りが出てしまっても微笑んでくれるだけで終わる。

 ふるさとプラザのようなアンテナショップはまだいいとしよう。例えば大手デパートで開かれる「東北物産展」みたいなイベントは油断できない。店員の中には東北各地から出張派遣されたガチ勢と、その日限りのバイトちゃん=ニワカ勢が入り混じっているからだ。うっかりバイトちゃんに「あら〜、懐かしいなや。こでらんねぇんだよ〜これ!!」と言ってしまったら最後、愛想笑いとセットで「こいつ何言ってるんだ」という冷たい視線をいただくことになるだろう。気を緩めてはいけない。ここは東京だ。ドMでもご褒美にならないものがある。

 先日、仕事で立ち寄った千葉県の某駅改札前で「青森物産展」と看板を掲げている店を見つけた。店は長机2台をくっつけて、その上に青森の日持ちしそうな名産品を所狭しと並べている簡素なものだった。どうやら期間限定出店らしい。よくある話である。近付くと、店員のおばちゃん1人が千葉マダムを相手に接客していた。

 「あのね〜、お母さん…。これ…青森のリンゴジュース。こっちは田子(たっこ)のニンニク。おいすぃ〜よ〜」

 文字には「音」の表現に限界がある。イントネーションをお伝えできないのが残念だが、この発音は間違いなく東北訛りだった。東北の中でも特に寡黙で、やっと口を開いたと思ったら訛りがひどくて何を言っているかわからず、テレビに出ると会話内容が標準語に直されて画面の下にテロップで表示される…そんな青森人のひとりが必死に標準語を意識しながら接客し、首都圏に青森のおいしいものを広めようとしている…。なんか感動した。

 でも結局何も買わなかった。ごめんねおばちゃん、仕事の途中だったからゆっくり見られなくて。すっごく遠くから時間かけて来たんだと思うんだけど…今度また来る機会があったらりんごジュース1本買うね。

 

*上京の受難シリーズはこちら
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  • 発売日: 1995/07/01
  • メディア: 食品&飲料