スーパーいわちゃんねる!

人類総岩崎化を目論む岩崎が、全国19万人の岩崎さんと1億人ちょいの岩崎さんじゃない人に向けて更新中。世界よ、これが岩崎だ。

同窓会でマウンティングできなかった話

 前回までのあらすじ!! 

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 中学時代の同級生から「30歳突入&卒業15周年ってことで、元旦に同窓会やることになったから岩崎も来て〜!!」と連絡が入る。各々とは8年ぶりの再会だが、中学卒業後にいろいろあって心が薄汚れてしまった岩崎に「上京をダシにマウンティングしてみたい欲」が生まれてしまった。着ていく服がなかったり不安に駆られたり、何を血迷ったかJR鈍行片道7時間をかけて帰省したりとすったもんだを乗り越えて、遂に同窓会当日を迎えた---。

 

 実家を出る直前、母を同級生と見立ててマウンティングの練習をする私。

 私「今?実は東京にいるの〜☆」

 母「うわぁ〜…(なんて嫌なヤツ)」

 私「だからぁ、最近の仙台のことぜんっぜんわかんなくて〜!キャピッ☆」

 母「うわぁぁぁ〜…(こんな娘に育てた覚えはありません)」

 イメージトレーニングは完璧である。さて会場へ。今回の場所は「フォトジェニックなダイニングバー」がウリということで、「なんなんだよ!!横文字使えばカッコいいと思いやがって!!」と半ギレしながら向かった。この発言を後で後悔することになる。

 

 開始20分前に会場到着。扉を開けると…

 「あーっ!岩崎!来たー!」

 今回幹事を申し出てくれた2人が反応。視線が一瞬で私に集まったのが感じ取れた。

 そうだ。私だ。君たちが学生時代、どんなに徒競走で追い抜こうが、中間・期末テストの成績が上だろうが、英語の成績だけはどーしても勝てなかった岩崎だ(厳密に言うと私より成績上位が1人だけいたが、今回不参加)。上京により、さらに優秀さに磨きがかかった私を聞いて恐れおののくが…

 「岩崎ぃぃぃぃぃ!!!」

 その声は…あいうえお順と言う名の天の悪戯で、1年生の時に隣の席だったUちゃん!!!

 「Uちゃぁぁぁぁぁん!!!」

 2人は熱い抱擁を交わした。周囲は半笑い。あの頃と全く同じ流れ。Uちゃんのせいでおかげですっかり中学時代の自分に戻ってしまった。ミスった…。

 

 上着を脱ぎ、気を取り直そうとしたところで幹事の1人が寄ってきた。

 「岩崎、来てくれてありがとう〜!今何やってるの?実家?いつも『いるのかな〜?』って思いながら家の前通ってたんだよ〜」

 ほいきたぁぁぁ!!!っしゃ!!!っしゃ!!!

 「あ…うーんとね、今東京にいて…」

 「東京!?すごいね!!何の仕事!?」

 懸念していた東京にいることは疑われなかった。シンプルに信じてもらえて好都合である。

 「クリエイティブ系…って言うのかな?名刺見せた方が早いか(笑)」

 ここで上着のポケットから名刺を出す。嫌味でしかない。

 「すごーい!!」

 「そんなことないよ〜」

 ここまではイメトレ通り。完璧だ。

 「あれだよね、岩崎って昔から行動力あったよね!!」

 …ん?

 「私もがんばらないといけないな〜。で、ご家族は?」

 「え?あ、あぁ実家に…えーと、兄弟と母さんが家のことやってくれてるから…安心して、東京で好きな仕事できてるって言うかぁ…」

 「岩崎家は皆さんしっかりしてるもんね〜」

 おかしい。私は今マウンティングしたはずだ。なのに妙に好意的に受け止められている。いや、それは上辺だけのおべっかだろう。きっとそうだ。だから他の子にも言えば、きっと誰かひとりくらいはイラッとしてくれるはず…。

 その後も、会う人に東京にいる旨を伝えたが「かっこいい〜」「アクティブだよね〜」「やっぱ岩崎だな〜」という反応ばかり…。

 ち、違うんだ!!みんな!!聞いてくれ!!私は…私は!!上京を肴(さかな)にしてドヤりたかったんだ!!邪悪な心の塊なんだ!!ごめん!!2度とマウンティングなんてバカなこと考えないから!!そんなキラキラした眼差しでこっちを見ないでくれ!!やーめーてー!!あぁー…。

 

 いい感じに人数が揃ったところで、幹事のあいさつが始まった。

 「今日お集まりいただいた皆さん、本当にありがとうございます!あと…お店を貸切にしてくれたO君にも感謝です!

 お店を貸切にしてくれたO君…だと!?O君は会場の隅っこで照れている。後で本人を捕まえて話を聞いたところ、飲食店を数店舗抱える経営者になっていた。昔と変わらず、シャイで寡黙なO君は「僕はたまたま運が良かっただけだから…」と謙遜していたが、素人の私でもこれだけは知っている。運だけで経営者になれるものではない。O君は誰かから店を受け継いだのだろうという雰囲気だったが、前のオーナーは彼の手腕を見出して白羽の矢を立てたのだろう。会場となったフォトジェニックなダイニングバーは料理はおいしいし店員の接客・気遣いも素晴らしく、隅々まで教育が行き届いているのを感じた。O君を前にして、上京したなどという自慢は敵わないことを思い知らされた。

 その後、他にも上京している人や、配偶者の仕事の兼ね合いで普段は海外にいる…という人も見つかった。全員が地元に残っているわけじゃない…そうだよねぇ。

 「マウンティングしてみたい欲」は、あの頃の純粋さを保持したまま成長し、それぞれの場所で輝いている同級生たちの前に崩れ去った。社会的・物質的なあれやこれやは、少年少女のような純心の前では無価値である。そして、あの場ではそこにいる「私」だけが受け入れられていた。先生、あの頃の良い子たちはこんなに立派で素敵な大人になりました…私を除いて。

 あ、先生といえば。今回お越しいただいた2人とも私のことを覚えていなかった。逆に手を焼いた問題児のことは鮮明に覚えていらっしゃるようだった。大人にとって都合の良い優等生過ぎるのも、将来的には考え物だな…と思い知らされた。忘れられるのは寂しいけど、今は仕事で宮城県教育委員会に世話になってるわけではなく、子どもがいて先生が赴任している学校に通っている…なんてこともないから、まぁいいか。

 会ではみな、思い出話や近況報告などを交えながら終始笑いっぱなしだった。帰り際、Uちゃんが「今日は元旦だったから来られなかったヤツもいるんだ。だから次はお盆にやるから!岩崎も来いよ!」と声をかけてくれた。私は「…おう」と返しておいた。「私は私のままで良かったんだな」と、ちょっと反省した。

 

 楽しい時間だったなぁ…たまには同窓会も悪くないなぁ、と思い出を噛み締めていた矢先のこと。一通のFacebookメッセージが。

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 !?

 今度は高校…だと!?

 

【次回予告】

 中学校から10km以上離れた某高校1組。岩崎がかつて通ったそこは、先生たちから「動物園」「ジャングル」と揶揄されるほどのクレイジー&セクシー(某議員が使っている語と同義)な38人が集まった同校史上最強のクラスだった!!

 マウンティングはおろか、8月(=お盆)に同窓会開催可能な人数が集まるのか!?そもそもその時期に全員日本国内にいるかも怪しい!!

 どうする岩崎!?高校の同窓会に参加するのか!?仕事の調整はできるのか!?あの珍獣同級生たちは今どうなっているのか!?担任は来てくれるのか!?

 

 まぁ、現時点で行けるかどうかはわからないが。三十路突入の同窓会話、続編書けたらいいなぁ。

卒業写真

卒業写真

  • アーティスト:荒井由実
  • 出版社/メーカー: UNIVERSAL MUSIC LLC
  • 発売日: 2018/09/24
  • メディア: MP3 ダウンロード