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台風で延期決定の球技大会開催に向けて革命を起こそうとした先輩の話と一連の騒動

 今週末の3連休中に上陸すると見込まれている台風19号に警戒して、各種イベントが相次いで中止を発表している。伊勢湾台風クラスと言われている台風から主催・出演者・客・資機材・信用問題など、全ての安全を確保するためにはこうするしかないだろう。主催側は断腸の思いを胸に胃薬をジョッキ飲みしているかもしれないが、今なら被害はお金とガッカリしたファンの批判ツイートくらいで済むし、損失は将来回収すればいい。イベントコンテンツや商品・売り物に万が一のことがあったら元も子もないもんね。

台風と高潮災害―伊勢湾台風 (シリーズ繰り返す自然災害を知る・防ぐ)

台風と高潮災害―伊勢湾台風 (シリーズ繰り返す自然災害を知る・防ぐ)

 

 自然災害によるイベント中止と聞くと、高校時代の球技大会を真っ先に思い出す。その時はぼちぼちの規模の台風が開催日の朝に通過するかしないか…というギリギリのラインだったので、教員らが前日中に1日延期を決定した。

 しかし台風はその日の夜に通過し、翌朝には球技大会日和と言わんばかりの晴天が広がっていた。体育が大嫌いな(身体を動かすのは好きだが成果を求められると嫌になる)私にとって開催スケジュールが予定通りだろうが1日延びようが関係ない…が、この時だけは予定通り行われてほしかった。1日延期=その日は通常授業となる。この日の時間割では、授業中に自身が早●田大学卒であることを5分置きに自慢してくる大嫌いな先生の授業を受けなければならない。

 燦々と照りつける太陽の下、初七日が終わっていないのかと思われるレベルの暗い顔で「予定通りに行けば早●田の授業が潰れたのに…台風のバカヤロー…」と呟きながら登校して席に座ると、後ろの席の女の子が「みんなー!今、先輩からメールが来たんだけど、今日の球技大会やっぱりやるから予定の時間に校庭に集合だって!転送するから、他のクラスの友達や後輩にこのこと伝えてー!」と、ガラケーを片手に飛び跳ねた。彼女は得意のバスケで毎年好成績を残すクラスのエースで、試合だなんだで常に誰かと競わなければならない部活動と違って純粋にスポーツを楽しめる球技大会を誰よりも楽しみにしていた。その先輩とつながっていたクラスメートらにも同じ内容のメールが届き、転送されたメールはあっという間に(体感10分程度で)全校に広まった。私は違和感を感じたので他クラスの数少ない友人にメールを送らなかったが、後日聞いたところ私以外から回ってきたらしい(除くロキ。当時は既に元彼になっていたが…あいつマジぼっち…

 始業時刻になり、担任が教室に入ってきた。教員と生徒がフランクな関係を築けている我がクラス。「せんせー、今日やるんでしょ?」「早くクラスTシャツ着てよー」とクラスメートが呼びかけると、担任は眉間にしわを寄せて「…は?」と言うリアクション。「…えっ?」と硬直するクラスメート。なんとも言えない微妙な空気が教室に漂ったところで、校内放送が突然流れた。内容を端的に言うと「球技大会は予定通り1日延期で、今流れている情報はデマだ」と。ついでに教員が全員職員室に呼び戻され、5分後に戻ってきた。

 担任の説明によると「某女子生徒(多分メールを発信した先輩)が『メールを流して生徒たちの気運を球技大会開催の方向に持っていけば、教員たちが諦めて決定を覆すだろう』と思ってやった」とのこと。先輩が学校全体を巻き込んで起こそうとした革命は、1時間ちょっとで失敗に終わった。先輩はその日のうちに生徒指導主任に呼び出されてこっぴどく怒られたそうだが、この一連の騒動が伝説となるとはこの時思ってもいなかっただろう。

 事の経緯が明白になったところで「今日はお伝えしていた通り通常授業です」と担任が言い放った瞬間、教室全体が落胆した。もちろん私もその1人だった。だって早●田が嫌いだもん。いわゆる「好きの裏返し」じゃなくて「嫌悪」「憎悪」「ヘイト」だもん。あーあ…。

 ちゃんちゃん。

 

 今思えば、ユルい雰囲気と自由な校風がウリの母校で生徒サイドの逆転勝利が実現してもおかしくはない流れだったが、恐らく先生たちの授業準備の兼ね合いに加えて近隣住民や町内会への騒音苦情対策(この日はうるさくしますけどご容赦ください…みたいな挨拶回りと情報共有)、教育委員会への申告的なものなど様々な要素が壁となったのだろうと推察する。

 そして当時はIT技術の発展途上期。スマホなんて影も形もなく、LINEやFacebookメッセンジャーなんて当然存在しない。通信定額プランが出始めた頃だったと思う。個人間の連絡手段は電話かSMS、もしくはメールしかなかった。そんな時代で、チェーンメール形式で約1000人の全校生徒の心を動かし、行動の一歩手前まで掻き立てたってすごいよなぁ…と。現代風に言うなら「軽くバズった感じ」だろうか。

 今なら周知・拡散したい情報がある時は学校?クラス?部活?のLINEグループでも作ってメンバーを入れ、ワンタップで一瞬で全員に届くんだから便利な時代になったものだ。いまどキッズはわからないだろうけど、チェーンメール送るのに宛て先探し&入力作業が結構大変だったんだよ…あ、老害臭い言い方だ

 

追記:翌日、無事に開かれた球技大会の開会式で、校長が「(先輩や生徒たちの)気持ちはわかるけどあのやり方はダメだし、1度ダメと決定したものはダメ」という趣旨のコメントを残している。