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【映画感想】Diner ダイナー

 公開日のレイトショーに突撃してきた。この作品が見たかったと言うよりも、その映画館が間も無く閉館になると伺ったので行った。

 むしゃくしゃしてやった。後悔はしていない上に特に意味はないし、蜷川実花作品が好きという訳でもない。むしろちょっと苦手。

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映画『Diner ダイナー』オフィシャルサイト

藤原竜也と蜷川実花監督が初タッグを組み、平山夢明の小説「ダイナー」を映画化。元殺し屋の天才シェフ、ボンベロが店主をつとめる殺し屋専用の食堂「ダイナー」。日給30万円の怪しいアルバイトに手を出したばかりに闇の組織に身売りされてしまった少女オオバカナコは、ボンベロに買われウェイトレスとして働くことに。ボンベロが「王」として君臨するダイナーには、全身傷だらけの孤高の殺し屋スキンや、子どものような姿をしたサイコキラーのキッド、不気味なスペイン語を操る筋肉自慢の荒くブロら、ひと癖もふた癖もある殺し屋たちが次々とやって来て……。ダイナーの店主ボンベロ役を藤原、物語の鍵を握る少女オオバカナコ役を玉城ティナが演じるほか、窪田正孝、斎藤工、小栗旬、土屋アンナ、奥田瑛二ら豪華キャスト陣が殺し屋役で出演。

Diner ダイナー : 作品情報 - 映画.com

 平面系を得意とする自分が、立体系=映像作品にケチつけるのはお門違いであることを重々承知だが、演劇・脚本制作を経験したことがある身として気づいた点も踏まえて言わせてもらう。

 蜷川実花氏は「映像作品クリエイターとしては最高」だろうけど「映画監督として現段階では微妙」である。

 というのも、アクションとスローモーションで画質が異なり、それが交互に流れて違和感を覚える瞬間が多々あった。ひとたび観客が違和感を覚える=頭上に「?」が浮かぶと、その瞬間にその人の意識は見ている映像から自身の脳内にベクトルが向く。その間に流れた映像シーンは脳内、すなわち印象に残らない。事実、個人的にはスローモーションが入り乱れた終盤の最終決戦シーンをほとんど覚えていない。画質の差は、恐らくアクションとスローモーションを撮る際に違うカメラを使ったからだろう。スローモーションの映像は画質ヌルヌルで美しかった。蜷川氏が撮りたかった(力入れた)のはスローモーションの方だろうから、そこだけ切り貼りすればいい感じの「映像作品」に仕上がるんじゃないかな。俳優さんたちが舞い散る花びらの中で〜…ってところだけ総集編作って、いい感じのBGM付けてDVD&Blu-rayの特典映像にすれば買った人が喜ぶと思う。もしかして「マトリックス」を真似したいと思った?ちょっと違うなー。

 映像に加えて音楽も統一感なかった。R&Bが流れたと思ったら、脈絡もなくクラシックが流れたりして混乱した。音楽を流すタイミングや、間の取り方がまだ甘い。音楽による演出は「音楽そのものの良し悪し」だけではなく「有無」も、作品を左右するということを知っていただきたい。

 あと脚本。恋愛要素入れる必要あった?そこは原作準拠じゃないはず。エンディング間際に突然ぶっ込んできたから、見てたこっちは寝耳に水。あのラストシーンにつなげたかったなら、もっと他の演出方法があったでしょうに。スポンサーか制作か…誰のせいかはわからないけれど、カナコとボンベロは終始相棒(バディ)であってほしかった。思わせぶりなシーンがあったのに、結局最後まで何もなかったTRICKシリーズを見習ってほしい。

 そのほかの言いたいことは、大体「映画.com」のレビューに書いてあった。ボッチじゃなくてよかった。

 ここまで書いといて掌返すけど、美術と衣装に関しては「ふつくしい…さすがです…」としか言えない。登場人物がみなカラフルでゴージャスでエキセントリックな衣装を身にまとう中、ボンベロだけシンプルな料理人の服だったのは彼が「ダイナーの王」である事を視覚的にも象徴していたのだろう。細かいところに設定を活かしているのは好き。あとカナコが着せられたウェイトレス服はボンベロの趣味か?かわいーなーオイ。かわいーなーオイ。グッジョブ。

 役者陣。1人いるだけでも存在感抜群の、クセのある面々をまとめ上げたのは普通にスゴい。何と言っても玉城ティナちゃんかわいーなーオイ。イッヌにメロメロの藤原竜也もかわいーなーオイ。窪田正孝は変な性癖を植え付けられそうで危なかった。ぶっ飛んだ土屋アンナは蜷川実花作品の常連だな。福田作品のムロツヨシみたいにな。

 原作がクレイジーすぎて映像化不可能と言われてたらしい作品をここまでビジュアル化できたのは、蜷川氏の独特な美的センスがあったからこそだろう。むしろ蜷川氏以外で作れる人がいるのか?原作と監督の相性が良かったんだろうな。

 ただし「蜷川実花が好き!」とか「藤原竜也が好き!」とか、特別な理由がなければ地上波放送orネット配信orDVDレンタルを待ってもいいんじゃないかな?ってくらいの出来であったことだけは強調しておく。

 

【2019年7月16日追記】


DAOKO × MIYAVI - 「千客万来」 Music Video(映画『Diner ダイナー』主題歌)

 映画主題歌のPVの監督も蜷川氏だそうで。めっちゃいい感じじゃん、ほらー。