スーパーいわちゃんねる!

人類総岩崎化を目論む平成元年生まれの岩崎が、全国19万人の岩崎さんと1億人ちょいの岩崎さんじゃない人に向けて更新中。

地域猫・コヤタさんに学ぶ、出世に役立つ人心掌握術

 勤め先の近くに、超人懐っこいトラ猫がいる。さくらカット(去勢済みの証明)の地域猫でオスのようだ。

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 上京してから初めて見かけた猫が彼だったので「上京したばかりで知り合いがいないから、仲良くしてね〜」と声をかけたら顔を覚えてくれたらしく、会うたびに「元気か?」という表情で寄ってきてくれるようになった。その面倒見の良さが三菱財閥4代目を彷彿とさせることから、勝手ながら彼のことを「コヤタさん」と呼ぶことにした。会うたびに「コヤタさんは財閥背負ってるからね〜」と教えている。

 ある日の帰宅途中のこと。歩いていたらコヤタさんが「にゃー!!」と叫びながら駆け寄ってきたので、背中を撫でながら「どうした?」と声をかけた。いつもならある程度撫でると満足してどこかへ行ってしまうが、この日は全く離れなかった。それどころか「そろそろ帰るね〜」と言って駅の方に向かうと後ろをついてくる始末。道路に飛び出されると危険なので、仕方なく元の場所に戻ってしばらくコヤタさんのそばにいることにした。

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 すると、コヤタさんがある方向をじーっと見つめはじめた。目線の先には見知らぬ黒い猫。どうやら黒猫がコヤタさんの縄張りを侵害しているらしい。黒猫もこちらの様子を伺っていた。埒(らち)が明かないので、私が「こんばんは〜」と言って黒猫の方に向かうと、コヤタさんも後ろをついてきた。黒猫は人馴れしていないらしく、近寄る私にビビって逃げてしまった。コヤタさんは黒猫がいなくなったのを確認すると、珍しく私の足にビッタリ身体を擦り付けてきた。顔を見ると、素知らぬ雰囲気で「黒いのいなくなった!嬉しい!」と言わんばかりの表情を浮かべていた。

 そこで気づいた。「あ、私は今コヤタさんに利用されんだな」と。私が他の猫を見かけたら、そっちも気になって動くだろう…と読んでいたんだな、と。どうやら私はコヤタさんのことを「上京して初めてできた猫友達」と思っていたが、コヤタさんから見た私は「いつも気持ちいいところをモフってくれる手下」だったらしい。あるいは「部下」「目下」「子分」「舎弟」「下僕」と言ったところか。いずれにせよ対等ではないが、彼の素晴らしいところは「やってもらって当たり前」ではなく、感謝ができるところである。それが彼がこれまで地域猫として生きてこられた理由のひとつだろう。人間でも「ありがとう」を言わない人よりきちんと言える人の方が好まれるもんね。おかげで上手いこと使われたにも関わらず、嫌な気分にはなっていない。むしろ「また猫の手くらい貸してやろうかな」くらいのつもりでいる。

 その後、コヤタさんが他の「手下」と思われる人間を見つけて自らモフられに行ったので、その隙に帰ることにした。帰り道「あれだけのコミュニケーション能力に長け、人心掌握術を有するコヤタさんが猫で良かった…」と心底思った。もしも彼が人間だったら、人を動かして成果を挙げるタイプの物凄いやり手になっていたに違いない。