スーパーいわちゃんねる!

人類総岩崎化を目論む岩崎が、全国19万人の岩崎さんと1億人ちょいの岩崎さんじゃない人に向けて更新中。世界よ、これが岩崎だ。

生き物って結局のところ、自分の力で前に進むしかないんだ

 夕方、石神井公園の中をチャリで走っていたらカメラを構えた人だかりができていた。見上げると、野鳥の雛が巣立ちの時を迎えたらしい。木のくぼみの中から茶色っぽい鳥が2羽出てきた。人間の方はバードウォッチングのサークルか何かのようだ。

 

 1羽がぴょんぴょんと跳ねながら、上手に高いところに登った。近くでは親鳥らしき成鳥が見守っている。下にいる人間はカメラのレンズを向けながら、固唾を飲んで見守っている。つい私も足を止めて、その様子を眺めていた。

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 10分くらい経っただろうか。ついに羽を広げてジャンプ! ……するも、まだ羽を上手く使えないらしく、ヨロヨロとゆっくり地面に落ちていった。親よりも人間が慌てて様子を見にいったが、幸いにも石神井池には落ちなかったようだ。

 野鳥の種類はわからなかったが、少なくとも水鳥ではないことは見てとれた。万が一のことが起きて羽が濡れたり溺れたりしたら大変だったと思う。無事でよかった。

 

 ふと、自転車に乗れるようになった時のことを思い出した。

 岩崎家はとある出来事がきっかけで、代々自転車に”乗らない”ことを選択してきた(発端はしょーーーもない話だが、本人の名誉のために詳細は伏せておく)。

 で、小学生の時に我が家に自転車がやってきた(経緯は覚えていないが、祖父におねだりした可能性がある)が、乗り方は自力で習得するしかなかった。今ならYoutubeで動画見たりググったりできるだろうが、当時はパソコンも携帯電話も一般家庭に普及していない時代。頼りは勘とフィーリングだけ。母は応援してくれたが、上記の事情から荷台を押さえて後輪をちょっと支えてもらうことくらいしかできなかった。そのため、補助輪が外れるまで随分かかった記憶がある。

 友達には「補助輪のガラガラ音がうるさい」って、しょっちゅうバカにされたなぁ。お前らだって乗り方を手取り足取り教えてくれる親兄弟がいなかったら、これくらいかかってたと思うけど。恵まれている家庭環境に感謝しな……とは言えなかった。

 補助輪が外れてちゃんと乗れるようになってからは、友人たちは何も言ってこなくなった。身につけてしまえばこっちのモンである。

 

 どんなに身内が見守ってくれていても、どんなに他人からバカにされても、最後は自分の力なんだ。自力で技術を習得し、前に進むしかないんだ。

 

 がんばれ、雛。

 

 ……などと考えていたら、涙が滲んできたのでその場を後にした。今度公園を訪れた時には、あの巣が空になっていることを祈る。