スーパーいわちゃんねる!

人類総岩崎化を目論む岩崎が、全国19万人の岩崎さんと1億人ちょいの岩崎さんじゃない人に向けて更新中。世界よ、これが岩崎だ。

節分の恵方巻きは時代を先取りし過ぎたのかもしれない

 大学時代、今は亡きサークルKサンクスでバイトしていた頃に恵方巻きが登場したと記憶している。

 働いていた店の予約ノルマは10本。他店と比較すると少ない方である。スタッフ1人が1本予約を取れれば……もとい、自腹で買えば達成できる数だった。

 当時はまだ珍しかったので、家族分をまとめて買って食べた記憶がある。だが岩崎家でその文化は定着することはなかった。恵方巻きを食べたのはそれっきり。以降の節分は従来通り、ピーナッツを撒いては適宜回収し、一通り撒き終わったところで年の数だけ食べた。

 

 さて、時は経って現在は東京・練馬で一人暮らし。暦に沿った行事なんてやってる暇はないし、クリスマスも正月もロクに祝っちゃいない。街のそれっぽい雰囲気を味わうだけで満足できるし、家の中で飾り付けだの片付けだのが面倒臭いからだ。

 節分だってそうだ。誰もいない部屋に豆を撒き、一人で回収してボリボリ食う……なんて、シュールな光景でしかない。そんなことをする自分の姿を想像したくない、絶対に客観視したくない。ルームシェアしている人なら同居人を巻き込んでワイワイできるかも知れないが、一人で住んでいる人は基本孤独なのだ。

 しかし、そんなヤツにこそ恵方巻きはピッタリである。特定の方角を向いて、太巻きというちょっと豪華な海苔巻きを無言で食べきればいいだけ。いつもの食事と大差ない。ノルマ問題・大量廃棄問題はあるものの、もしもそこがクリアできたら生涯未婚率の上昇による一人暮らし世帯拡大という事実を抱える現代社会において、恵方巻きは将来新たな慣習・文化として日本全土に定着するかも知れない。

 そんなことを考えながら今年の恵方を調べた結果、自宅でいつも食事している向きと大きく変わらなかった。コンビニで海鮮恵方巻きを買った後帰宅し、定位置に座って無言でかじった。これはこれでシュール……いや、考えるのはやめよう。