時々話題にする「元上司」のこと。
その人は音楽が好きだった。中森明菜世代。アイドル全盛期に青春を送ったらしい。
時々、思い出したかのように「最近の音楽(歌)は薄っぺらい」と批判した。出張途中にラジオから聞こえる懐メロを、よく口ずさんでいた。レベッカの「フレンズ」がお気に入りだった。
私は最近の音楽世代だから、自分たちのカルチャーが否定されるのは悲しい。
個人的に、昔の音楽(歌)は「秘めた恋」とか「報われない」とかをテーマに扱うことが多く、重苦しいものばかりと感じる。
最近の方がいい感じに肩の力が抜けてて、穏やかな気持ちで聴ける。今の音楽が至高とまではいかないけれど、少なくとも肌に合ってる。
結局、みな自分が心地よいと思うものが1番。私には私の、元上司には元上司の理想と希望があるけど、互いに相手のものは受け入れられない。
ここで「どちらが1番か」という話題になればケンカになる。争ったって、疲れて業務に支障が出るだけ。私は特に反論しなかった。
転職先の新しい上司(元上司より10歳くらい上)に、「最近の音楽って薄っぺらいですかね?」と尋ねてみた。
「薄っぺらいと感じたことはない。歌詞が、何回か聞かないと意味がわからないものが多いけど、何回か聞けばわかるし」と、返答された。