スーパーいわちゃんねる!

人類総岩崎化を目論む岩崎が、全国19万人の岩崎さんと1億人ちょいの岩崎さんじゃない人に向けて更新中。世界よ、これが岩崎だ。

「感謝」は濃厚接触で拡大する

 上京して1年、ずっと一人暮らしである。そうなると家には基本自分しかいない。料理を作るのも、掃除・洗濯をするのも、布団を敷くのも自分。自分が起こす行動は、自分にとって全てマストである。そうなると「感謝する機会」がなくなる。感謝とは他者に向けるものである。

 新型コロナウイルス流行による外出自粛で人と会うことが減った。勤務も在宅中心になった。Youtubeやテレビを見ても、相互に一方通行であるしあちらとこちらがコミュニケーションを取るわけでもない。現状、ネット通販の商品を自宅に届けてくれた配達員さんか、スーパーのレジ打ち担当スタッフさんに「お世話様です〜」と声をかけることくらいしか、誰かに感謝する機会がない。

 意識高い系の人たちはことある度に「○○に感謝」という言葉を乱射する。あれはあれで不気味で気持ち悪いが、逆に全く感謝しない毎日を送っていることにも違和感を感じるようになった。やろうと思えば無理ではない。スーパーで買った野菜の生産者さんや、自宅を管理してくれている管理会社など、感謝するべき対象は探せばいくらでも見つかる。ただ、彼らは自分の生活に間接的に関わってくれているので、こちらはあちらを知らないし、あちらもこちらをご存知ないだろう。そんな間柄の人から「今日を平穏無事に送れるのは皆さまのおかげです!ははーっ!」と、毎日頭を下げられても困るだろう。

 自分の中に生まれた感情をじっくり観察した結果「直接的に感謝を向けられる存在が身近にいることで、初めて間接的に感謝するべき対象に意識を向けられる」ということがわかった。時事的な表現を借りれば、感謝の意は誰かとの濃厚接触で感染が拡大する。いきなり見ず知らずの人には伝染しない……そんなイメージだ。

 このことにたどり着いた時、はじめて誰かに会いたくなった。ご飯食べたり遊びに行ったり、セミナーに行って勉強したり、その他諸々。そして「私と会ってくれて、あなたの貴重な時間をちょっぴりくれてありがとう」と伝えたい。

 都内では新型コロナウイルスの感染拡大を警戒して「東京アラート」が発動された。まだ外出自粛や三密の回避に心を砕かなければならないのか。もうそろそろ許してもらえないだろうか。会って感謝したい人がたくさんいるんだ。