このシリーズは、アラサーで仙台から上京した岩崎が食らった数々の受難を記録するものである。
「西武線がライオンズを激烈プッシュする」
野球に関しては基本的にノンポリのつもりだが、地元・仙台の発展に寄与してくれた楽天イーグルスを応援しない訳にはいかない。球団再編問題が勃発したころを振り返り、もしも仙台に新球団の拠点を置いてもらえなかったら…と考えるとゾッとする。だから仙台市民はチームが連敗しようと、最下位だろうと、球場のシステムや持ち込みルールがクソだろうと、監督をコロコロ変える人事に納得がいかなくとも、なんだかんだで楽天イーグルスに感謝している人が多いはずだ。私もその1人である。
だから練馬最強の公共交通・西武線を利用するのが時々ツラくなる。なぜなら西武線、もとい西武グループは西武ライオンズを抱えているからである。西武ドームは当然ながら西武線沿線にあり、ファンは西武線を使って移動する。ライオンズvsイーグルス戦があり、イーグルスが負けた日に乗るのは特にツラい。ファンに車内でバッタリ遭遇し、向こうがニッコニコしているのが見えてしまった時の心苦しさはなんとも言えない。
それだけならまだしも、西武線沿線の民(たみ)はライオンズファンが多いらしい。先日試合がない日に乗車していたところ、普通の格好のお嬢さん2人が「イーグルス弱くない?www」と会話しているのが聞こえてしまい、予想以上の精神的ダメージを食らった。向こうも、まさか目の前に仙台出身でイーグルスを応援している人間がいるとは思わないだろう。
まぁ、このくらいなら許そう。練馬が好きで住んでいるのは私だ。練馬に住むなら西武線利用は必須(都営大江戸線と東武東上線ユーザーもいるが、西武線沿線が圧倒的多数)。時にライオンズデザインでラッピングされた車両に乗らなければならない日もあるが、甘んじて受け入れよう。
だが、それだけでは済まなかった。ある日の帰宅中に西武線に乗っていた時のこと。ドアが閉まって電車が動き出した瞬間、車掌が車内アナウンスで「西武ライオンズは皆さまの応援のおかげで本年度リーグ優勝しました。西武グループでは優勝セールを実施しており(中略)日本シリーズ出場に向けてCSも頑張りますので、引き続き応援よろしくお願いします」などと言い出した。
西武グループは、西武線ユーザーをみなライオンズファンと思っているのか。神道の氏子と同じ理屈ではないか。マジかよ…。
練馬に住んでいる以上、西武グループの恩恵を受けるのは必要不可欠。こうなったらライオンズファンに擬態して暮らすしかない。たとえ、いつか西武ドームで行われる楽天戦を見に行きたくて、仙台の公式ショップで買っておいた楽天のマフラータオルが自宅にあったとしても…。
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