スーパーいわちゃんねる!

人類総岩崎化を目論む平成元年生まれの岩崎が、全国19万人の岩崎さんと1億人ちょいの岩崎さんじゃない人に向けて更新中。

「地方の時代」なんか来るわけがない

 東京に来て、ご縁があった有識者やアクティブなクリエイターさんたちに自分が仙台出身である旨を伝えると、みな口を揃えて「いいね!これからは地方の時代だからね」とおっしゃってくれる。よくわからないけど、地元が褒められている感じがしてこそばゆい反面、「もしかして上京しない方が良かったのかな…?」と不安を覚えた。

 ある朝、AbemaTVを眺めていたらホリエモンこと堀江貴文氏とキングコングの西野亮廣氏、箕輪なんとかさんの3人がトークしている番組を見つけた。その中で、堀江氏も「これからは地方だよね」と語っている。「やっぱりな〜、プロ野球再編問題の時に新球団設立のコンペに向けて仙台にマメに足運んでくれた人だもんな〜」としみじみ聞いていたが、次の一言で眉間にシワが寄った。堀江氏は「だってさ、地方って物価安いじゃん。家賃とかも都心の何倍も安いよ」と続けた。

 オイィィィー!!!!!「生活コストの削減目的」などという軽い考えで地方に住んだら痛い目に遭うよ!!!!!地方出身者として、地方を勧める気は一切ない。同様の思想を抱いている人たちに認識を改めてもらいたく、参考までに今年4月までの仙台および東北地方の状況を説明する。

物質面

生活に関する話

確かに家賃だけは安い

 こちとら上京した身。確かに東京の家賃は高い。認める。東京23区の山手線沿線なら、6万円で6畳一間のユニットバスを借りれたら上出来だが、仙台の市営地下鉄沿線なら2Kくらいを余裕で借りられる。

 だが、それ以外がかかる。

意外と高い水道料金

 まずは水道料金を例に挙げてみよう。

 

 (メーター口径13mm、月30m3で計算)

 23区…基本860円+163円×30m3=5,750円

 仙台…基本580円+205円×30m3=6,730円

 

 計算して思わず「はぁん!?」と叫んでしまったが、約1000円も違うとは思わなかった。道理で「同棲時代より払う水道代が安くなったな…」と思った訳だよ。光熱費は電力自由化によるプラン変更が自在になったため割愛。上手くやりくりすればいい。ただ、体感レベルでは東京の方が絶対に安くなっている。やっぱり1000円くらい違う気がする。競争が激しいからかな?

移動にかかる費用は予想以上のはず

 次に交通費。JR初乗り料金を見てみよう。

 

 仙台駅から…190円(仙石線のみ150円)

 山手線各駅…140円

 

 高っ!!!!!山手線なんか値上げしたはずなのに、それでも仙石線よりも安いなんて…。しかも首都圏と違い、地方は駅を降りてから目的地までが遠い。最寄駅からバスで片道1時間500円オーバー…なんてことはザラである。安くて、どこへでもドアtoドアで行ける便利な公共交通機関というものはない。かかった交通費だけでホテルランチができる額に達することもある。

 パンがないならケーキ、電車バスが高いならタクシー…ともいかない。東京では政策で23区と一部の市でタクシー初乗り410円が実現している一方で、仙台は相変わらずの670円。地方も場所によってはタクシー料金がピンキリのようだが、少なくとも仙台では首都圏の感覚でタクシーを使わない方がいい。260円の差でイタい目を見る事になるだろう。移動費のランニングコストを考えると、場合によっては中古車を1台買った方がいいかもしれない。

 何にせよ、地方の移動には金がかかる。今後人口=利用者が減れば、さらに費用が上がるだろう。その点はご理解いただきたい。家から一歩も出ないで生活するなら関係ないだろうが…。

 

物価が高く、買い物に知恵と工夫が必要になる

 仙台はそれほどでもないが、ド田舎で周辺に競合がない店舗だと、売り物の値段を高く設定していることがある。これには物流や配送料などの兼ね合いも関係しているらしい。田舎であればあるほど野菜は安いかも知れないが、それ以外の…例えば嗜好品などの値段が跳ね上がっている可能性も否定できない。

 「店舗で買わずにネットで注文すればOK」と思っている人がいるかも知れないが、田舎であればあるほど注文から到着までに時間がかかる。もしも移住して「首都圏にいた方が良かった…」と、後悔することにならなければいいが。

 

趣味的な話

テレ東は見られないと思え

 地方アニオタの悲願、それは「テレビ東京のキー局ができること」だ。地方ではあの豊富なアニメも、人気の深夜ドラマも見られない。他局と足並みを揃えないことで有名なテレ東すら見捨てる地、それが地方だ。

 まかり間違ってどこかのテレビ局が買い取って流してくれることがあったとしても、それは放送終了後の可能性が高い。Twitterのタイムラインでの盛り上がりについて行けず、自身が地上波でやっと放送を見る頃には…下手するとブームが去っている恐れも否めない。地上波リアタイで視聴したい番組がある人は絶対に地方に行かない方がいい。特にアニメ視聴環境は格段に悪くなる。さすれば、契約するのはアマプラか?ネトフリか?無料であんなに面白い番組を見られる環境に、自身が身を置けている幸せをどうか自覚してほしい。

場所によっては普通の放送すらリアタイ視聴不可

 加えて、青森はフジテレビ、秋田はTBSのキー局がないことをご存知だろうか。青森の人たちは「お昼休みはウキウキウォッチン♪」の意味を最近まで知らなかった(夕方に放送されていたらしい)。秋田の人たちは安住アナを認知していない(TBSは無かったことにされているらしい)。首都圏ではあり得ない話だが、こんなことが地方では十分に起こり得る。むしろ序の口かも知れない。

全国公演の「全国」に含まれないこと多々あり

 有名アーティストや音楽グループの全国公演に参戦したいなら、地方より都心部の方が絶対にいい。東北地方に関して言及すると、まずZEPP仙台が潰れたのでZEPPツアーがない。そしてなぜか開催地に東北が仲間外れにされ、札幌または新潟に行かれてしまったこと数しれず。かつて嵐や桑田佳祐がライブをしてくださったのは奇跡だった、ということをご承知おきいただきたい。

地方のトレンド=首都圏のオワコン

 先日、宮城県にタピオカドリンクの店ができたと話題になったそうだが、首都圏は既にタピオカブームが終息しつつある。それを宮城の人は知らないのだろう。つまり、首都圏のお下がりを地方民がありがたがっている、ということ。考えてみれば、仙台でケバブが売られ始めた頃に首都圏ではチーズハットグが流行り始めていた。今回のタピオカドリンクもそうなっていくだろう。

 今後の予想だが、温かくて甘く、味が濃くて満足感を得られるホットタピオカミルクティー的なものを東北人は喜んで口にし、うまく行けば肌寒さが緩むゴールデンウィーク明けまで流行るだろう。その頃、首都圏では何が流行っているだろうか…。

いろんな物が「ない」

 他にも挙げればキリがないが、確実なのはサブカル的趣味は確実に幅が狭くなる。映画館もロクにない。音楽関係は微妙。服飾関係は流通しているアイテムがダサいし店も少ないから絶対につまらなくなる。東北に関しては、Apple Store仙台店が閉店するほどガジェット系も不毛の地になりつつある。ミニマリストは人と場所によって生活するのが難しくなるだろう。後は…多すぎて書ききれない。とにかく、首都圏であふれているいろんな物が「ない」。わざわざそんな地へ自主的に赴かなければならない理由と必要性を考えられない。あと、東北の物で東京でも手に入る物がたくさんあるから、わざわざ赴く必要性もないぞ。

 

精神面 

人間付き合い

旧時代の価値観をアップデートできていない人たち

 地方は首都圏よりあらゆる面で遅れている。例えば人間の考え方。LBGT?女性の社会参画?みんなが生きやすい社会?自分らしく?頭では理解していても「でもそんなの…ねぇ?」と言って価値観をアップデートできていない。

 変わり者は変な目で見られ、責め立てられる。

別に私が何使ってようがお前には関係なくない?

 経験ベースでの話。私はApple Watchを愛用しているが、仙台にいると「それApple Watchですよね?」と聞かれる。その質問には「みんなが持ってないものを使っているなんて、あなた変人だね」という含意がある。そして自分は買う気がないのに「それってどうなの?」「便利?」などと質問攻めに遭うこともしばしば。いちいち相手するのが疲れるので、一時期Apple Watchを外していたことがあるくらいだ。

 東京でもApple Watchを使っている人はそんなに多い訳でもないし、使い方を理解している人ばかりでもないはずだ。それにも関わらず、Apple Watchを使っているというだけで奇人変人扱いされたことはない。出身地、性別、職業、人種…多種多様な人間が行き交う東京では「そういう人もいるよね」でサラッと流す人が多い。

 対する地方はそもそも人の往来が少ない。今でも。ヒトがそんな調子だから、モノコトや価値観も変わらない(変わるスピードが地上を歩く亀以下)。人との直接のつながりを避けたとしても、例えば駅やスーパーですれ違う人たちのどうしようもない会話が耳に入って、時にはゲンナリすることもあるだろう。そんな街にわざわざ行って住んで楽しいか?

 …住まう人たちに一切関心を持たず、自分のことだけに集中すれば大丈夫?それが100%できる自信がある人なら、挑戦してみてもいいだろう。仙台弁で言わせてもらうと「んだば、やってみらいん?」。

 

思想信条?

謎の「東京教」「東京崇拝」

  だが地方民は東京から引っ越してきた人を放ってはおかない。なぜなら地方には謎の「東京教」ないしは「東京崇拝」があるからだ。なぜか東京から来た人をやたらありがたがる文化・思想がある。

 こちらも経験ベースで申し訳ないが、かつて震災後の仙台では、不安を抱いた人々の心の隙を狙ってノコノコやってきた胡散臭い東京人が講師となり、これまた胡散臭い自己啓発セミナーを開いていた。セミナーをひとつ開くと、参加者は講師を「この人は東京の人だからスゴイ!この人の言うことを聞いたらいいことありそう!」と祭り上げていたのを覚えている。今開催しても、状況はそんなに変わらないだろう。

 上記はあくまで一例。胡散臭いセミナー講師じゃないとしても、時と場所によってこのような事象は十分に起こり得る。近所付き合いでも、職場でも、合コンでも。その「東京から来たというだけで、何の根拠もない期待という名のプレッシャーを頼んでもいないのに勝手に寄せられること」に耐えられるか?

 恐らく私も、帰省の折に参加予定の同窓会で望んでもいないのに言われることになるだろう。「岩崎、お前東京にいるの!?」と。そうだよ、仙台のクリエイティブ系は年齢だの性別だのくだらないこだわりばかりを押し付けて、話にならないから東京に出たんだよ。文句あるか?あぁん?

都市部がダメなら田舎に…も勧めない

 仙台なら東京人はウェルカムカモーンだが、地方の他の地域が必ずそうだとは言い切れない。身内が第二次世界大戦で東京から東北の某田舎に疎開した際「東京から来た」というただそれだけの理由で、地元民にめっちゃくちゃイジメられたと聞いた。着ている衣服を東京のものだというだけで僻まれ、方言が話せない・理解できないことを表でも陰でもバカにされたという。ある人は、その時に受けたケガの影響が70年以上経った今も身体に残っているそうだ。

 現代ではそんなこと起きない、今の田舎者はそんなことしない!…とは100%言い切れない。かといって、発生した場合の具体的な対策法もない。そんなところに住みたいか?

 

結論:現状の地方に理想郷はない

東京にだって地方みたいな場所はある

 「これからは地方だ」と思っている人、どうか今一度考え直してほしい。私は、自分が夢を抱いて上京したのを否定されたくなくてこの話をしているんじゃない。東京にだって地方みたいな場所はたくさんある。23区外に出ればいい、ただそれだけのことだ。そこで満足すればいいじゃないか。東京はいかにヒト・モノ・コトに恵まれているか…地方に出たらそれらがなくなってしまう。取り返しがつかなくなる前に、なんとかご理解いただきたい。

 

堀江氏に夢見させすぎた仙台人はちょっと反省しよう

 2004年、オリックス・ブルーウェーブと近鉄バファローズが合併して1球団になることが決定して勃発したプロ野球再編問題。他にも様々な問題が噴出し「いっそセ・パの両リーグも合併しちゃおっか?」という案が出る程めちゃくちゃになった当時の球界に、ひとつの突破口が現れた。

 ライブドアの堀江社長(当時)が新球団を設立することを表明し、本拠地を仙台に構える方針を決定。「仙台ライブドアフェニックス」が誕生するかも!?と仙台人、いや、東北全体が湧き立った矢先に、楽天の三木谷社長も新球団設立を表明。どちらが新規参入するか!?コンペと関係者による協議の結果、楽天に決まったのは周知の事実。

 当時の仙台人は「なんだや、楽天なんて後から出てきてやー…」とごしゃいた(訳:ブツブツ文句を言って怒った)が、来るもの拒まない質(たち)の土地柄のおかげで、今ではすっかりおらほの街の野球チームになっている。一方で「ホリエモンが鶴の一声を挙げてくれなかったら、仙台に球団ができなかった」という点において今でも堀江氏とライブドアに感謝の意を抱いている市民も少なくなく、堀江氏もそんな仙台を好意的に見てくださっているらしい。

 それ!!!!!そこ!!!!!反省しよう!!!!!確かにあの時、仙台市民は堀江氏を精一杯もてなした。クリスロードでパレードもやった。東京のスゴい企業の人が、わざわざおらいの街さござってくれた上に新球団まで作ってくれるって言うんだもの。けっぱれー!!って、応援するしかねぇさ?ってことで、「盆と正月」ならぬ青葉まつりと七夕が一度に来たくらいの勢いでウェルカムした。恐らく、堀江氏が抱いている仙台への印象はそこで止まっていると見受けられる。そうじゃなかったら「これからは地方の時代」なんて話が出てくるはずがない。

 

地方都市=田舎者の集合体、田舎者の思考=最悪

 当時に堀江氏をウェルカムしたのは我々のような生粋の仙台人か、仙台に長く住んで愛着を持ってくれている他地域出身の人たち。だが仙台は東北地方最大の都市であるが故に、仙台に出た程度で満足する全東北(=究極の田舎)の人間が数多く集まっている。裏を返せば、仙台は首都圏に出る気のない(出るという発想がない)連中を受け入れている街ということ。そんなノリの人間の集合体で構成されている地方の街は、他にも多数あるはずだ。そこに可能性が眠っていそうか?住まいを移す価値があるか?

 私はそうは思えない。千年に一度の大災害を食らっても、仙台をはじめとする東北地方の人間の根幹は変わらなかった。東京は絶対的存在であると同時に、ロクに正確な判断を下すための見識もないくせに異端者とみなした者を排除し、なじり、除け者にする…。このことに関しては、他の地方もそれほど差がないと推測する。

 そんな地方に「時代」なんか来るわけがない。来たとしても一過性で終わるだろう。地方に夢を抱いた人間たちにすぐに飽きられ、失望され、見捨てられる将来しか想像できない。

 ここまで言っておいて掌を返すつもりはないが「将来、この予想が外れて笑われるくらいでちょうどいいと思っている」と、内心願っている部分もあるが…果たしてどうなっていくことやら。

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 この記事を書くのに1ヶ月近くかかったが、それでも言いたいことがまとまって無い気がする。いずれ別記事で書き直すかも知れない。